EXとは : 記者・編集者スペシャルトーク

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image  現在、日本で発行されている新聞の多くは、一般的な出版物を制作するレイアウトのルールとは異なった法則で紙面がデザインされています。それは大きな判型や圧倒的な文字量、どんなニュースにも即座に対応できるスピードと汎用性、といった媒体の特性から必然的に生まれた新聞オリジナルのレイアウトテクニックといっていいでしょう。こうした伝統的な新聞レイアウトは、それはそれで美しくもあり、また完成されたデザインであることはいまさら言うまでもありません。
 
 でも、雑誌のレイアウトやグラフィックの手法を取り入れて新聞をつくったら…。その発想を生かしたのがSANKEI EXPRESS(以下EX)です。横書きで、タブロイドサイズの、すっきりしてシンプルな、web時代の読者にも親しみやすいレイアウト。外部のデザイン会社と協力して作られているEXに、私は産経新聞社内のデザイナーという立場で、主にカルチャーやグルメ、ファッションなどの情報を伝えるART CAFEのデザインに携わっています。
 

新聞らしいバランスとリズム

 取材記者の用意した写真と記事を基に、高級感? かわいい感じ? かっこいい感じ?と、イメージをふくらませ、より記事内容を効果的に伝えるために、浮かんだ世界観を紙面に落とし込んでいきます。すっきりとしたニュース面からあまり飛躍しすぎず、かといって真面目すぎないように。EXをニュース面からART CAFEまで読んだときにちょうど良いリズムが生まれるように。雑誌のような自由なレイアウトと新聞らしさのちょうど良いバランスを見つめながら紙面を作っています。
 

「かっこいいか、ダサいか」

 EXでは2011年7月から毎月第1日曜日に化粧品会社Miu cosmeticsの社長で、慶應義塾大学メディアデザイン研究科で非常勤講師を務める藪野美生さんをアートディレクター兼編集長に迎えてSANKEI EXPRESS on the first Sundayという新聞を発行しています。こちらは新聞の世界を一気に飛び越えて欧米のビジュアル誌のような大胆なデザインをとりいれた一層斬新な紙面を提案しています。
 
 新聞制作に何年も関わってきた私にとって、アートディレクター藪野さんとの紙面作りはとても刺激的です。ビビットなピンクや紫色を使用したカラフルな紙面、かっちりと整えすぎない自由に組んだ文字組。大胆なデザイン案に、従来の新聞デザインをあてはめて「ここは揃えなくて大丈夫ですか?」なんて聞いてしまうこともあります。藪野さんの答えは「大丈夫です! その方がかっこいいので!」と明確です。「かっこいいか、ダサいか」をここまで重視した新聞を作るのは初めてのことで、その新鮮さに毎号心を躍らせながら紙面を作っています。最新のデザインのトレンドを最新のニュースのように伝える美しい紙面。webでも読むことができますが、是非美しく印刷された紙面を手にとっていただきたいと思います。
 

信頼感と斬新さ

 最近、東ヨーロッパなどのいくつかの国で、旧来の新聞デザインを一新することで、飛躍的に購読数を増加させた、ポーランド人のジャチェック・ウツコさんという新聞デザイナーが話題になりました。このニュースは、旧来のデザインにとらわれない紙面作りを志向するEXに携わる一人として非常に心強く、大いに示唆的なものでありました。
 
 新聞が培ってきた信頼性を損なうことなく、いかに斬新なアプローチで読者に記事を提示できるのか。課題の多さにくらくらしつつも、時に「やりすぎだ」とたしなめられるくらいの心持ちで、日々EXのデザインを模索していきます。
 

スペシャルトーク

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